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その「反響なし」は本当ですか? ――大切な資産を業者の利益に変えられないための「囲い込み」自衛術

  • 3 日前
  • 読了時間: 5分

「一生懸命に手入れしてきた思い出の家、少しでも高く、大切にしてくれる人に譲りたい。」

そんな切実な売り手(売主)の想いを、裏切るような行為が不動産業界には平然と存在しています。ひょっとしたら、それは囲い込みをされているのかもしれません。

今回は、売却がなかなか進まずに悩んでいるオーナー様へ、その違和感の正体と、大切な資産を守るための「自衛術」についてお話しします。


1. 「半年間、連絡なし」の裏に隠された業者の都合

「本来なら定期的な活動報告があるはずなのに、半年近く全く連絡がなかった」 。 インタビューに応じたTさんは、長年管理を任せていた不動産会社への信頼を、無残に打ち砕かれました 。

家族のように信頼していた担当者から「反響がない」と言われ続け、ある日突然「200万円下げればすぐ売れる」という根拠のない提案を受ける 。これは、多くの売り手が直面する「負のスパイラル」の典型的な入り口です 。

業者はなぜ、あなたの物件を「放置」するのでしょうか? その理由は、彼らがあなたの利益(高く売ること)よりも、自社の利益(両手仲介による手数料の独占)を優先しているからです 。

Tさんの体験談はこちら

囲い込み

2. 恐ろしい「囲い込み」の仕組み

「囲い込み」とは、自社で買主を見つけて「両手取り(売主・買主双方から手数料をもらうこと)」を実現するために、他社からの客付け(問い合わせ)を遮断する行為です 。

  • 他社には「商談中」と嘘をつく 他の不動産会社が「購入したいお客様がいる」と連絡しても、「今交渉中なので紹介できません」と断ったりします 。あなたの物件は、市場から意図的に隠されているのです 。

  • 「売れない」と錯覚させる わざと反響がない状況を作り出し、売主が弱気になったところで大幅な値下げを提案します 。これは、自社で抱えている「安く買いたい業者」や「確実に決めてくれる客」に早く売るための、彼らの「都合」に過ぎません 。

このような情報の独占は、地図を持たずに戦場へ行くようなものです 。

この言葉が出たら要注意!

他社から「その物件、内見したいお客さんがいます」と連絡が来たとき、囲い込み業者は平気で嘘をつきます。

  • 「あ、ちょうど今、別の方と商談に入りまして……」(実際は誰もいない)

  • 「売主様のご都合で、今は内見できないんですよ」(売主はやる気満々)

  • 「担当者が外出中で、週明けじゃないと確認できません」(時間を稼いで自社の客にぶつける)

これ、売主であるあなたには「一向に連絡が来ない」という結果としてしか見えません。怖いですよね。


3. 「セカンドオピニオン」を入れた途端に現れた「満額の買い手」

Tさんの事例で最も衝撃的だったのは、セカンドオピニオンを利用した数日後の出来事です 。

「あんなに値下げしないと売れないと言っていた業者が、突然『満額の買い手が見つかりました!』と連絡してきたのです」 。 他の業者に客を取られたくないという心理が働いたのか、あるいは情報の操作がバレるのを恐れたのか、あまりにもタイミングが良すぎる展開でした 。

もしあのまま言いなりになっていたら、Tさんは2部屋で400万円以上の損をしていたはずです 。わずか5,000円の相談料で、その数百倍の資産を守ることができたのです 。


4.なぜ「囲い込み」は最悪なのか?

囲い込みは物件を売りたい人にとって、損害は計り知れません。

  1. 高く売れるチャンスを逃す他社が「1億円で買いたい!」という客を連れてきても、自社で「9,000万円で買う」客を見つけるまで隠されることがあります。

  2. 売却期間がムダに伸びる窓口を狭めているので、当然なかなか売れません。その間の固定資産税や管理費はあなたの負担です。

  3. 不当な「指値(値引き)」を迫られる「全然引き合いがないので、価格を下げましょう」と嘘の報告をされ、安く買い叩かれる原因にもなります。


5. 自分の資産を守るための「7つの自衛手段」

不動産業界はプロと素人の情報格差が非常に大きい世界です 。後悔しないために、以下の3点を心に留めておいてください。


1.自分の「直感」を信じる :「報告が減った」「質問への答えが曖昧」といった小さな違和感は、業者の不誠実さのサインです 。違和感を持ったまま放置してはいけません 。

2.「情報の独占」をさせない :一人の担当者にすべてを委ねるのはリスクです 。売ることを目的としない第三者の専門家の意見を持つことで、初めて正しい判断が可能になります 。

3.「物件」ではなく「人(エージェント)」を選ぶ: 大手だから、一度頼んだからという理由だけで選ぶのではなく、実績や口コミが可視化された信頼できるエージェントを自ら選ぶことが、これからのスタンダードです 。

4.「ステータス」を監視せよ:レインズには「公開中」「書面による申し込みあり」といった状態が表示されます。自分が申し込んでいないのに「申し込みあり」になっていたら、囲い込みのサインです。

5.「おとり調査」も辞さない:知り合いに頼んで、別の不動産屋から自分の物件を問い合わせてもらう。これが一番確実な「嘘発見器」になります。

6.「レインズの登録証明書」を必ずもらう:自分の物件が正しく市場に公開されているか、自分の目で確認しましょう。レインズ(REINS)の「登録証明書」は、不動産の売却を不動産会社に依頼した際、「あなたの物件を、間違いなく全国の不動産会社が共通で使うデータベースに登録しましたよ」ということを証明する公式な書類で宅建業法では義務化されています。提供される専用のパスワードでログインしてチェックできます。こちらの記事でも解説しています!

7.「一般媒介契約」も選択肢に入れる:1社に任せきりにする(専任媒介)のではなく、複数の会社に依頼すれば、1社による「囲い込み」は物理的に不可能になります。






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