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【社長コラム Vol. 2】不動産業界の「負のスパイラル」の正体 〜なぜ同じ問題が繰り返されるのか〜

  • 1 時間前
  • 読了時間: 6分

Agent Connect株式会社 代表取締役 冨谷皐介


■はじめに

不信の正体は「人」ではなく「構造」にある


「不動産屋は怖い」「騙されるかもしれない」。

なぜ、こうした不信感はいつまでも消えないのでしょうか。

私は、その原因は一部のモラルや個人の問題ではなく、

業界に長年存在している“構造そのもの”にあると考えています。

売り手と買い手の間にある「情報の非対称性」、そして「物件」から探し始める現在の取引構造。

この二つが重なることで、不信を生み出し続ける“負のスパイラル”が生まれています。


本コラムでは、私自身が約2億円の被害を受けた「かぼちゃの馬車事件」の教訓を踏まえながら、この構造を解き明かします。

そして、その解決策として私たちが取り組んでいる「順序の転換」についてお話しします。


■なぜ不動産業界の不信はなくならないのか

コンプライアンスの強化や情報開示の進展により、多くの業界で透明性は高まっています。

それにもかかわらず、不動産業界に対する不信は依然として根強く残っています。

これは単に「悪質な業者がいるから」では説明がつきません。

むしろ、誠実な人であっても歪んだ行動を取りやすい構造が存在していることに問題があります。

私は、ここにこそ本質的な課題があると見ています。


■情報の非対称性という構造問題


不動産取引において、消費者を最も不利な立場に置いているのは、売り手との圧倒的な情報格差です。

不動産は極めて専門性が高く、


・価格の妥当性

・建築や構造

・法規制

・将来のリスク

・資産価値の変動

といった要素を、一般の消費者が正確に把握することは容易ではありません。


私自身が被害に遭った「かぼちゃの馬車事件」でも、この情報格差が決定的な要因となりました。提示されたのは「家賃保証30年」「利回り8%超」といった数字でした。

しかしその裏では、建築費の大幅な上乗せや、融資審査を通すための不適切な処理が行われていました。当時の私は、それを見抜く術を持っていませんでした。


さらに問題なのは、「銀行が融資している」「企業が保証している」という事実が、判断を鈍らせることです。いわば、“社会的に構築された信頼”に思考を預けてしまう構造です。


私は、被害者として、そしてその後の調査や活動を通じて、この問題は個人の注意だけでは防げないと確信しました。


■「物件起点」の取引の限界


この情報格差をさらに拡大させているのが、「物件から探す」という現在の取引の入り口です。


多くの人は、

・価格

・間取り

・立地

・利回り

といった条件から物件を検索し、問い合わせを行います。


しかしこれは、「箱」と「数字」に引き寄せられている状態に過ぎません。

不動産は一つとして同じものがなく、目に見えないリスクを多く含む商材です。

その入り口が表面的な情報に偏っていること自体が、大きなリスクだと私は考えています。


■担当者が見えないまま進む怖さ


さらに深刻なのは、問い合わせの先にいる営業担当者の情報が、事前にほとんど見えないことです。


不動産取引の質は、担当するエージェントによって大きく変わります。


・どの分野を得意としているのか

・どのような実績があるのか

・顧客からどう評価されているのか

・誠実に向き合う人物なのか


こうした重要な情報を知らないまま、人生に大きく関わる意思決定が進んでいく。

これは、極めてリスクの高い状態です。


■営業インセンティブの歪み


一方で、営業担当者側の構造も見ておく必要があります。

物件起点で来た顧客は、「そのエージェントを選んだ」のではなく、「物件に興味を持った」だけです。当然、他社との競争にさらされます。


この状況では、

「いかに顧客の将来に寄り添うか」ではなく、

「いかに早く契約に至るか」

が強いインセンティブになります。


これは個人のモラルの問題ではなく、構造としてそうなりやすい環境です。


■消費者が「担当者ガチャ」を引かされている現実


結果として、消費者は自らの未来を託すパートナーを、偶然に委ねることになります。

いわゆる「担当者ガチャ」です。


誠実なエージェントに出会えるか。

それとも、短期利益を優先する担当者に当たるか。

その違いによって、取引の結果は大きく変わります。

私は、この状況を健全な市場とは考えていません。



■信頼が崩れるプロセス(負のスパイラル)


この構造の中では、信頼関係は生まれにくくなります。

営業は契約を優先し、情報をコントロールする。

消費者は疑い、心を開かなくなる。

その結果、

・強引な営業

・情報の隠蔽

・不信の増幅

という悪循環が生まれます。

これが、不動産業界を覆う「負のスパイラル」の正体です。


■問題は“悪人”ではなく“構造”にある


ここで強調したいのは、この問題が一部の悪質な人間によって生まれているのではないということです。現在の構造の中では、誠実な人であっても歪んだ行動を取りやすくなってしまう

だからこそ、この問題は個人の努力ではなく、構造の転換によってしか解決できないと考えています。


■もし「順序」を変えたら何が変わるか


この問題の解決は、非常にシンプルです。

不動産取引の「順序」を変えることです。

「物件」ではなく、まず「人」を選ぶ。

信頼できるエージェントを見つけてから、物件を探す。


この順序に変わるだけで、

・情報の非対称性は大きく緩和され

・リスクは事前に共有され

・判断の質は大きく向上します


実際に、被害後に良いエージェントと出会った方は、単なる売買ではなく、将来設計まで含めた提案を受けています。これは偶然ではなく、構造の違いによるものです。


■Agent Connectという解決策

Agent Connectは、この「順序の転換」を実現するためのプラットフォームです。

私たちは、

・エージェントの資格や専門性

・得意分野

・日々の発信

・ユーザーからの評価

を可視化しています。


これにより、消費者は

「この物件が欲しい」ではなく「この人に相談したい」

という入り口から取引を始めることができます。

これは単なる機能ではありません。「誰を信頼するか」を可視化する仕組みです。


この仕組みは、

・消費者にとっては防御となり

・エージェントにとっては正当な評価につながり

・市場全体に透明性をもたらします

構造を変えれば、行動が変わり、常識が変わります。


■おわりに

「物件から人へ」という変革


不動産は、単なる資産ではありません。

人の生活であり、人生であり、未来そのものです。

だからこそ、それを扱う「人」が何より重要です。


私は、自らの経験を通じて、

構造を変えなければ悲劇は繰り返されることを学びました。


だからこそ今、

「物件ではなく人から選ぶ」という順序の転換を社会に実装したいと考えています。


この変革が広がれば、

不動産取引はもっと安心できるものになるはずです。

そして、誠実な人が正当に評価される市場が生まれるはずです。


それを実現することが、私たちAgent Connectの使命です。

AgentConnect株式会社 代表取締役社長 冨谷皐介
AgentConnect株式会社 代表取締役社長 冨谷皐介

<代表プロフィール>


名前:冨谷 皐介(とみたに こうすけ)

生年月日:1969年8月10日

出身地:北海道小樽市

趣味:バイク、映画鑑賞

休日の過ごし方:読書、YouTubeでプロレス鑑賞

過去に経験したスポーツ:スキー、水泳、マウンテンバイク、ゴルフ

座右の銘:知行合一、至誠而不動者 未之有也

                                            


      

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