【社長コラム Vol. 4】失敗しない不動産取引の進め方――エージェント選びの実践編
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Agent Connect株式会社 代表取締役 冨谷皐介
皆様、こんにちは。Agent Connect代表の冨谷です。 3月から5月にかけてのコラムでは、私が約2億円の被害に遭った「かぼちゃの馬車事件」の原体験から始まり、不動産業界が抱える「情報の非対称性」という構造問題、そしてその欠陥から身を守るための「良いエージェントの条件」についてお話ししてきました。
これまでの連載を通じて、「物件ではなく人で選ぶ」という当社の理念の背景はお伝えできたかと思います。
そこで6月の今回は、いよいよ「実践編」です。 実際に不動産取引を始めようとしたとき、具体的にどのように進めれば致命的な失敗を防げるのか。私の痛恨の失敗経験と、多くの被害者の方々の事例をもとに、皆様が「今日からすぐ使えるノウハウ」としてお伝えします。

■ 相談前に整理しておくべきこと:自分の「人生の目的」を明確にする
不動産を探し始めるとき、多くの方は不動産ポータルサイトを開き、「駅徒歩何分」「予算はいくら」「利回り何%」といった物件のスペックや条件ばかりを検索しがちかと思います。
しかし、エージェントに相談する前に本当に整理しておくべきなのは、そうした数字ではありません。 「自分がなぜその不動産を必要としているのか」「5年後、10年後、どんな人生を送りたいのか」という、あなた自身のライフプランです。
私自身、かつて「少しでも将来の足しになれば」「老後2000万円問題に備えなければ」という漠然とした不安からシェアハウス投資に手を出し、地獄を味わいました。目的が曖昧なまま相談に行くと、目の前に提示された「家賃保証30年」「利回り8%超」といった都合の良い数字や、「放っておいても100万円入る」といったキャッチコピーに簡単に絡め取られてしまいます。
不動産は目的ではなく、あなたの理想の人生を実現するための手段に過ぎません。まずはご自身の「人生の軸」をしっかりと見つめ直し、言語化しておくこと。これが、悪質な提案に流されないための第一の防波堤になります。
■ 初回相談で見るべきポイント:主語が「あなた」になっているか
では実際にエージェントと初回相談をする際、見るべきポイントはどんなものなのかご紹介します。
最も注目していただきたいのは「会話の主語が何か」ということです。 希望条件を聞いた途端に、「この物件は資産価値が高くて…」「今このエリアが人気で…」と、主語が「物件」になって話し続ける担当者は、単なる「売る人」です。
物件そのものを起点に提案が進むと、顧客の人生設計よりも、取引を早期に成約させることが優先されやすい傾向があります。
本当に信頼できるエージェントは、主語が常に「あなた」になります。 私自身や、多くの被害者の方々を見てきた中で感じるのは、信頼できるエージェントに出会えた人ほど、その後の人生設計まで大きく変わっているということです。5月のコラムにも登場したAさんを例に出します。Aさんは私と同じくかぼちゃの馬車事件の被害に遭い、その後素晴らしい担当者に出会って人生を立て直した人です。彼が出会ったエージェントは、目先の利回りや物件のスペックではなく、Aさんの数年後や老後を含めた「将来の生活設計」に基づいた提案を行ってくれました。さらに、検討している不動産のメリットだけでなく、デメリットもしっかりと整理し、ポートフォリオにまとめてわかりやすく説明してくれたそうです。
優秀なエージェントは、自分の正解を押し付けることはしません。私は、良いエージェントとは、うまく売る人ではなく、時には『今はやめた方が良い』と言える人だと考えています。あなたが正しい決断を下せるよう、「判断材料を客観的に整理してくれる第三者」として伴走してくれます。時には「この物件にはこういうリスクがあるから、今のあなたにはお勧めしません」と、自社の利益を手放してでも取引を止める勇気を持ってくれる人かどうかを見極めてください。
あとは、ネガティブ情報を「自発的に」開示してくれるかも見るべきポイントのひとつ。質問されてから答えるのではなく、こちらが聞かなくても物件のデメリットや将来の修繕リスクなどを自ら積極的に提示してくれるかどうかは、誠実さを見極める重要なポイントと言えます。
■ こんな営業には注意:焦燥感と「小さな違和感」を見逃さない

逆に、絶対に警戒すべき営業スタイルも明確に存在します。
一つ目は、決断を不当に急がせる営業です。 現在の不動産業界は他社との競争が激しいため、「早くしないと他の人に取られますよ」「今日決めてくれれば特別に条件を良くします」といった言葉で焦燥感を煽る担当者が横行しています。一生を左右するかもしれない大きな決断を、数時間や数日で急かすような人間は、顧客の納得感よりも自分の成績(インセンティブ)を優先している証拠です。
二つ目は、「社会的な信頼」を盾にして思考停止を誘う営業です。 かつての私がそうであったように、「銀行が融資を承認しているのだから安心だ」「多くの専門家が関わっているから間違いない」という枠組みの中に自分の思考を預けてしまうことほど危険なことはありません。「ここだけの話」といった特別感を演出されると、客観的なリスク評価が麻痺してしまいます。提示された美しい物語を唯一の正解として受け入れてしまう「情報の孤立状態」に陥らないよう注意してください。
三つ目は、「小さな違和感」を放置させる営業です。 私が2億円の契約をした直後、「建物の壁の色などは後で選べます」と言われていたのに、いざ確認すると「もう決まっています」と言われたことがありました。
また、高校時代の建築関係の友人に物件を見せた際、「これ2億の価値ないよ。1億くらいだ」と指摘されたこともありました。 その時、私は「そういうものなのかな」「プロが進めているのだから」と違和感を自ら飲み込んでしまいました。しかし、そうした小さな不誠実さやごまかしの裏には、往々にして書類改ざんや法外なキックバックといった巨大な不正が隠れているものです。
少しでも『おかしいな』と思ったら、その違和感を無視しないでください。一度立ち止まり、第三者の意見を聞くことが、大きな損失を防ぐ第一歩になります。
■ セカンドオピニオンの考え方:思考の死角をなくすために

では、情報の非対称性が極めて高い不動産取引において、どうすればその「違和感」に気づき、正しい判断ができるのでしょうか。 その最も有効な手段が、「セカンドオピニオン」を活用することです。
医療の世界では、重大な病気の治療方針を決める際、別の医師の意見を聞くセカンドオピニオンが当たり前になっています。しかし、人生で最も高額な買い物であるはずの不動産取引においては、一人の担当者の言葉だけを信じて突き進んでしまう方が後を絶ちません。
一人のエージェントの意見だけを聞いていると、どうしてもバイアスがかかり、自分の判断の癖や盲点に気づきにくくなります。被害のどん底にいた私やAさんが前を向けたのは、被害者同士で情報を突き合わせ、自分たちの置かれている状況を「外部の目」で客観視できたからです。 だからこそ、提案された物件やプランに対して少しでも不安を感じたら、利害関係のない第三者のプロに意見を求めてください。
私たちAgent Connectでも、皆様が安全に取引を進められるよう「2nd Opinion(セカンドオピニオン)サービス」を提供しています。複数のプロフェッショナルの視点を入れることで、情報の非対称性は劇的に解消され、致命的なリスクを回避することが可能になります。
■ おわりに:素晴らしいパートナーとの出会いを
不動産は、ただの「箱」や「土地」ではありません。そこに住まう人の生活であり、投資する人の未来であり、時には家族の人生そのものです。
私が約2億円の借金を背負い、大晦日の夜に紅白歌合戦を見ながら「家族のために自分が死ぬしかない」と思い詰めたあの絶望を、私は一生忘れません。
あの地獄から私を救ってくれたのは、共に立ち上がってくれた仲間であり、本気で闘ってくれた弁護士という「人」でした。そして、その後も継続して付き合える誠実なエージェントに出会えたことで、不動産取引への信頼を取り戻し、人生の再スタートを切った方々をたくさん見てきました。
不動産取引は、「どんな物件を買うか」から始まるのではありません。「誰を信頼し、誰と進めるか」というパートナー選びから始まります。
Agent Connectは、皆様が迷うことなく、誠実で知識豊富な最高のエージェントと出会えるよう、エージェントの資格や得意分野、そして過去のユーザーからの評価を完全に可視化しています。
『物件から人へ』という新しい不動産取引のスタンダードが広がることで、誠実なエージェントが正当に評価され、消費者が安心して意思決定できる市場が実現すると、私は信じています。

<代表プロフィール>
名前:冨谷 皐介(とみたに こうすけ)
生年月日:1969年8月10日
出身地:北海道小樽市
趣味:バイク、映画鑑賞
休日の過ごし方:読書、YouTubeでプロレス鑑賞
過去に経験したスポーツ:スキー、水泳、マウンテンバイク、ゴルフ
座右の銘:知行合一、至誠而不動者 未之有也


