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【社長コラム Vol. 5】不動産投資でやってはいけない判断とは何か――2億円の失敗から学ぶ「数字」と「安心」の罠

  • 24 時間前
  • 読了時間: 7分

Agent Connect株式会社 代表取締役 冨谷皐介


皆様、こんにちは。Agent Connect代表の冨谷です。

これまでのコラムでは、私が巻き込まれた「かぼちゃの馬車事件」の原体験や、不動産業界が抱える構造的な問題、そして良いエージェントの見極め方についてお話ししてきました。

今月は、特にこれから不動産投資を始めようと考えている方、あるいはすでに投資をされている「投資家」の皆様に向けて、より実践的で踏み込んだテーマをお届けします。それは、「不動産投資において、絶対にやってはいけない判断とは何か」ということです。


私自身、かつて大企業に勤め、年収が1000万円を超えていた40代の頃、「老後の不安」や「資産形成」という言葉に背中を押され、約2億円の不動産投資を行いました。しかし、それが地獄の入り口でした。 なぜ私は、戦後最大級とも言われる投資詐欺事件の被害者となってしまったのか。私の痛恨の失敗から導き出された「4つの誤った判断基準」についてお話しします。


■ やってはいけない判断①:「利回り」という数字だけで飛びつく

不動産投資を検討する際、多くの方が最も気にするのが「利回り」でしょう。ポータルサイトを開けば、利回りの高い順に物件を検索するのが当たり前になっています。 しかし、「高い利回り」という表面的な数字だけで投資判断を下すことは、極めて危険です。掲載されているのは「表面利回り」が主流です。表面利回りとは、満室時の年間家賃収入を物件価格で割ったもの。実際の管理費や固定資産税などの経費は含まれていません。

私が購入した女性専用シェアハウスも、「利回り8%超」という、当時としては非常に魅力的な数字が提示されていました。しかし、その数字の裏側には恐ろしいカラクリが隠されていました。 実際には、不動産会社が工事請負会社から建築費の50%もの異常なキックバックを受け取っており、物件価格が相場から大きく乖離した高額に設定されていたのです。相場とかけ離れた価格の物件に、高い家賃設定をすれば、当然入居者は決まりません。

利回りは、単なる計算式の結果に過ぎません。「なぜその利回りが実現できるのか」「相場と比較して家賃設定に無理はないか」という本質的な物件力やリスクを見極めず、数字の大きさだけで飛びつくことは、自ら罠に足を踏み入れる行為なのです。


■ やってはいけない判断②:「家賃保証」を絶対の安全網だと過信すること

次に注意すべきは、「家賃保証(サブリース)」の落とし穴です。 「家賃保証30年」「放っておいても毎月100万円入る」。そんな魅力的なキャッチコピーを提示されれば、誰でも「これなら空室リスクがなく、安全で堅実な投資だ」と思ってしまうでしょう。当時の私もそうでした。

しかし、サブリース契約というのは、あくまで運営会社(サブリース会社)が物件を一括借り上げして転貸する仕組みであり、入居者が決まらない場合は、運営会社からオーナーに対して「家賃の減額交渉」を行うことができるのが一般的です。つまり、運営会社がリスクを負わず、守られる立場になりやすい構造を持っています。 かぼちゃの馬車事件の場合、運営会社は入居者がいない赤字分を、前述の建築費のキックバックで自転車操業的に埋め合わせていました。そして資金繰りが破綻した途端、一方的に「家賃を銀行への返済額と同額に下げます」と通告し、最終的には支払いすら停止したのです。実はサブリース問題は今、多く発生している問題のひとつでもあります。「自分は大丈夫」だと思っていたら当事者になってしまうことも少なくありません。

「保証」という言葉は魔法ではありません。保証する企業のビジネスモデル自体が破綻すれば、その約束は紙切れ同然になります。家賃保証があるから安全、という判断は今すぐ捨てるべきです。

バツを表現する男性

■ やってはいけない判断③:「銀行が融資する=安全」という思考停止

そして、私が皆様に最も強く警告したいのが、「銀行の審査を通っているのだから、この物件は安全だ」と思い込んでしまうことです。 私に約2億円もの融資をしたのは、「地方銀行の雄」とまで呼ばれた著名な金融機関でした。「多くの専門家が関わり、金融機関が厳しい審査をして融資を出すのだから、大きな問題はないはずだ」。これが、判断力を鈍らせた大きな要因の一つでした。

しかし現実はどうだったでしょうか。私の預金通帳の残高など、公的な書類が勝手に改ざんされ、本来なら下りるはずのない不正な融資が組織ぐるみで実行されていたのです。

私自身も当時、『銀行が融資するのだから安全だ』という思い込みに支配されていました。被害後、多くの被害者と話をする中でも、同じように『専門家が認めているのだから間違いない』と考えていた方がほとんどでした。

これは本当に恐ろしい「思考の死角」です。「ここだけの話」といった特別感や、社会的な権威を盾にされると、人間は客観的なリスク評価が麻痺してしまいます。「銀行が融資するから安全」ではなく、「自分の目で見て、納得できる投資か」という自己の判断基準を決して手放してはいけません。


■ やってはいけない判断④:「数字」や「箱(物件)」だけを見て、「人」を見ない

ここまでお話ししてきた誤った判断に共通しているのは、投資家が利回りや家賃といった「数字」や、シェアハウスという「箱(物件)」ばかりを見てしまっているということです。 不動産投資において、表面的な数字や条件はいくらでも良く見せることができます。だからこそ、最も重視すべきは、その情報を提示してくる「人(エージェント)」が誰なのか、ということです。

私は、良いエージェントとは、うまく売る人ではなく、時には『今は投資を見送った方がいい』と言える人だと考えています。

いくら魅力的な数字が並んでいても、担当する営業マンが自社の利益やノルマだけを優先する「売る人」であれば、都合の悪いリスクは隠されてしまいます。 逆に、本当に信頼できるエージェントは、目先の利回りだけでなく、あなたの長期的な資産形成のポートフォリオを考え、時には「この物件は将来の修繕リスクが高いから、今のあなたにはお勧めしません」と、契約を止める勇気を持っています。

不動産投資は、買って終わりではなく、そこから数十年にわたる賃貸経営のスタートです。だからこそ、「どんな数字か」以上に、「トラブルが起きたときにも逃げずに伴走してくれるパートナーか」を見極めることが、投資を成功に導く最大のカギとなります。


■ おわりに:被害を防ぎ、成功を掴むための「新しい常識」

私自身、投資によって家族を幸せに、そして安心させたかったはずなのに、気がつけばその家族を最大の危機に巻き込んでいました。

だからこそ、これから投資を始める皆様、そして今まさに投資と向き合っている皆様に、どうしても伝えたいことがあります。

それは、「お金は“結果”であって、“目的”ではない」ということです。


投資そのものが悪いわけではありません。しかし、金額が大きく、数十年という長い時間を伴う不動産投資においては、「どんな利回りの物件を買うか」よりも、「誰から買うか」「誰と伴走するか」で、その後の人生に天と地ほどの差が生まれます。

大切なのは、魅力的な数字や、看板の大きさ、会社の規模ではありません。最後に皆様の生活と未来を守ってくれるのは、利回りという名の「資産」ではなく、有事の際にも決して逃げずに真摯に向き合ってくれる「人とのつながり」なのです。


私たちは、『物件』や『数字』からではなく、『人』から始まる不動産取引が当たり前になる社会を目指しています。

「物件」や「数字」に目を奪われ、大切な未来をリスクに晒さないでください。 皆様がご自身の人生の目的をしっかりと見据え、心から信頼できる「真のパートナー」と共に、後悔のない、希望に満ちた資産形成を実現されることを私は誰よりも強く願っています。


代表取締役社長冨谷
AgentConnect株式会社 代表取締役社長 冨谷皐介

<代表プロフィール>


名前:冨谷 皐介(とみたに こうすけ)

生年月日:1969年8月10日

出身地:北海道小樽市

趣味:バイク、映画鑑賞

休日の過ごし方:読書、YouTubeでプロレス鑑賞

過去に経験したスポーツ:スキー、水泳、マウンテンバイク、ゴルフ

座右の銘:知行合一、至誠而不動者 未之有也

                    

                                                  



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